杉の子幼稚園

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園長だより

園長だより<4月号>

子育て・子育ち・親育ち

4月、杉の子幼稚園は、教職員24名、園児93名、あわせて117名の大家族でスタートいたします。お忙しい中での「子育て」は楽しいことばかりではないかもしれません。でも、どうぞご安心ください。私達は子ども達に寄り添いながら「子育て」のお手伝いをすることで一人一人のお子さんの「育ち」を優しく促してまいります。「子育て」は発見と感動の連続です。お子さんを育てることで、私たち大人も教えられることのなんとたくさんあることでしょう。ご家庭と園とで、「子育て」・「子育ち」・「親育ち」を共にめざしてまいりましょう。

杉の子幼稚園の合言葉は「心も体も丈夫でのびのび」「友だちといっしょに心ぽかぽか」です。年度の始めにあたり、私が軸足としてきた「仏様の指のお話」を先生方に聞いてもらいました。

「仏様の指のお話」

仏様がある時、道ばたに立っていらっしゃると、一人の男が荷物をいっぱい積んだ車を引いて通りかかった。そこはたいへんなぬかるみであった。車は、そのぬかるみにはまってしまって、男は懸命に引くけれども、車は動こうともしない。男は汗びっしょりになって苦しんでいる。いつまでたっても、どうしても車は抜けない。その時、仏様は、しばらく男の様子を見ていらっしゃいましたが、ちょっと指でその車におふれになった。その瞬間、車はすっとぬかるみから抜けて、からからと男は引いていってしまった。

この「仏様の指のお話」を引用して、国語科教育に大きな業績を残した大村はま先生は、著書の中で、「もし、仏様のお力によってその車が引き抜けたことを男が知ったら男は仏様にひざまずいて感謝したでしょう。けれども、それでは 男の一人で生きていく力、生き抜く力は何分の一かに減っただろうと思います」と述べています。

感謝する心は必要ですが「誰かのおかげで」が強すぎると、他人に頼る気持ちが残り、自分で生きていく力は育たなくなってしまいます。幼い頃は、先生や大人がいっぱい関わり、真似るところから始めてなくてはなりません。けれども、成長するにしたがって、少しずつ手を離しサポート役に回っていくことで、自分で考え、判断し、自ら学んでいく力を育てることが大切になります。

そして、このことは、子どもの育ちに限ったことではなく、大人である私達も大切にしたい哲学であると思います。多くのひとに助けられ、多くのひとに生かされていることに感謝しながら精進していきたいものです。

「ありがとさま」「おたがいさま」「おかげさま」「おつかれさま」の心が行き交う杉の子幼稚園を今年度も大切にしていきます。

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